売主の希望と会社の利益が、提案でどう関わるかを見る

結論から言うと
不動産仲介会社の主な収入は仲介手数料です。両手取引なら、一社が受け取る報酬は増えます。極端な例ですが、同時に「融資に不安がある両手の買主」と「現金一括で買う片手の買主」の話が来たとき、私が見てきた現場では、両手の買主を優先したがる場面も少なくありません。 売主にとっての条件のよさと、会社が得たい報酬は一致するとは限らない。この事情を知っておくと、担当者の勧めをそのまま受け入れず、理由を確かめやすくなると思います。
HONNE|現場のホンネ
同じ物件でも、自社で買主を見つければ、売主側だけでなく買主側の報酬も受け取れる場合があります。会社がその買主との成約を望む事情は、売主にとって支払いの確実性や条件がよいかとは別です。
私の現場感では、片手では売主側の条件やリスクをより強く意識します。値下げの話にも「そこまで応じる必要はないかな」と考えることがあります。両手では、売主が了承できる線を守りながら、買主も含めて双方の着地点を探す感覚があります。
これは私自身の交渉感覚です。片手なら必ず高く売れる、両手なら必ず値下げするという話ではありません。売主には、担当者がまとめたい話と、自分が選びたい条件を分けて見てほしいと思います。
買主を勧められたら、報酬より条件を比べる
価格だけでなく、融資の利用・審査状況、支払いの見通し、引渡日、特約や期限を並べて説明してもらいます。「現金」と言われても、支払能力や条件を確認せず安心するわけではありません。
融資と支払いの確実性まで比べて、なぜこちらの買主を勧めるのですか?
両手の買主を勧めるなら、売主側にも選ぶ理由があるのかを聞いてください。ほかの申込みがあるのに比較材料を示さず、一人だけを勧める説明では判断しにくいと思います。
用語の違いは元付・客付、片手・両手の違いで整理しています。
両手を望むことと、紹介を不当に断ることは別
同じ会社が双方を仲介すること自体を、囲い込みとは呼びません。一方、自社で買主も見つけたいからといって、他社の紹介を不当に断り、売主の販売機会を狭めてよいわけでもありません。
冒頭の例だけで、個別の会社が囲い込みをしたとは判断できません。説明と登録表示、実際の回答が食い違うなら、具体的な事実をそろえて聞きましょう。レインズと販売状況の確認で詳しく扱います。
仲介手数料は、その報酬で何をするかも聞く
仲介手数料には上限があり、実際の額はその範囲で合意します。会社が受け取る手数料も、そのまま利益ではなく、調査・広告・人員などの費用がかかります。
私は「上限だから値引きして当然」とは考えていません。ただ、受け取る報酬で何をするかは、会社側が説明すべきだと思います。
この報酬で、どこまで対応してもらえますか?別に必要な費用はありますか?
安いから仕事が悪い、満額だからよい仕事をする、と金額だけで決めないことです。
専任を望む事情にも、報酬の見通しがある
一般媒介では、調査や提案へ時間を使っても、他社が成約すれば報酬を得られないことがあります。私が専任系を希望する理由には、報酬の見通しと、窓口を一本化して相談しやすいことの両方があります。
会社側の事情と売主側の利点が同じ方向を向く場合もあります。契約の選び方は一般・専任・専属専任媒介の違いへ。
提携業者の紹介にも、三つの質問
解体・リフォーム・測量・引越しなどの紹介に、会社側の別の利益がある場合もあります。すべての紹介に紹介料があるとは限りませんが、提案の背景を聞いて構いません。
- この紹介で、御社にも手数料や紹介料などの利益はありますか?
- この業者を使う、売主側のメリットは何ですか?
- ほかの業者を選ぶこともできますか?
価格・対応範囲・日程と、ほかを選ぶ場合の条件を比べましょう。利益関係があることだけで不適切と決めるのではなく、背景が見えないまま選択肢が狭まらないことが大切です。これは私が望む説明で、一律の紹介料開示義務を述べるものではありません。
出典・参考資料
以下は仲介報酬の制度説明に対応する資料です。買主を優先したがる場面と交渉感覚は、運営者の実務経験・見解です。
一次情報確認日:2026年9月15日


