調べたことと未確認のことを分け、誰が確認するかを聞く
不動産の「契約」には、売主が不動産会社へ売却を依頼する媒介契約と、売主・買主が結ぶ売買契約があります。どちらの契約前かで、調査の段階が違います。
依頼先や媒介契約の種類は、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違いとは?で確認できます。
結論から言うと
売主側の不動産会社は、売出し前から物件調査を進めるため、売買契約直前に初めて調べることは多くありません。契約前には、調査済みの内容に変更がないか、未確認事項が残っていないかを確かめます。年度をまたいだ場合の固定資産評価証明書など、必要資料の更新も行います。
ただし、調査の進み方や必要な追加確認は物件によって異なります。「売出し前に調べたから、もう調査は要らない」という意味ではありません。

売出し前の調査と、売買契約前の確認を分ける
売出し前から、権利関係・境界・接道・法令制限・建物の状態などを確認します。媒介契約を結ぶ時点ですべての調査が完了しているとは限らないため、残っている確認と、その後の進め方も共有します。
売買契約前には、次のような変更や不足を確認します。
| 確認すること | 担当者と整理する点 |
|---|---|
| 調査後の変更 | 権利関係、利用状況、売主からの申告などに変化がないか |
| 建物の現在の状態 | 売出しから長期間が経った場合、新たな不具合がないか |
| 必要資料の更新 | 年度をまたいだ場合など、今回の取引に必要な資料がそろっているか |
| 未確認の事項 | 誰が、いつまでに、何を確認するか |
ここでいう建物の状態の確認と、建築士による「建物状況調査(インスペクション)」は区別します。専門調査が必要か、その範囲や依頼先も担当者へ確認してください。
HONNE|別の業者も入るから、二重に調べているとは限らない
私の経験では、買主側の仲介会社が、一から役所を回って調べることはほぼありません。売主側へ資料を請求し、「何か変わったことはありますか」と、しれっと聞いて終わることもあります。
だからこそ、売主側で把握したことを重要事項説明書や契約条件へきちんと反映し、売主自身が伝えたことも、必要な説明や条件として書類に残っているかを確かめてほしいです。
これは私が関わってきた取引での経験です。資料を受け取ったことだけで、必要な確認まで済んだとは考えません。
細かいと思うことも、先に担当者へ伝える
過去のトラブルや不具合には、現地を見ただけでは分からないこともあります。「こんなことまで必要かな」と思っても、売出し前に担当者へ話してください。売出し後に新しく分かったことも、その時点で伝えましょう。
分からないことを無理に断定する必要はありません。知っている事実、聞いた話、分からないことを分け、修理記録などがあれば一緒に渡します。
買主へ何をどう説明するか、対応や費用負担を契約でどう定めるかは、担当者と整理します。口頭で伝えて終わりにせず、書類の該当箇所まで確認しましょう。
担当者には、こう聞けます。
私が伝えたことは、どの書類のどこに反映されていますか。まだ確認できていないことはありますか?
出典・確認先
- 国土交通省「不動産の売却を検討される皆様へ・不動産の購入を検討される皆様へ」:媒介契約と、基礎的な物件調査から売買契約へ進む流れ。受託範囲は会社・契約によって異なります。
- 国土交通省「消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ」:媒介契約・取引の流れの案内。
上記資料の該当説明の確認日:2026年10月20日


