価格だけでなく、融資・期限・引渡し条件をそろえて比べる
結論から言うと
買付証明書は、提示価格だけでなく、手付金の額、測量など売主へ求める作業、引渡し時期、融資の利用や確認状況まで見ます。
手付金にも売主が受け入れられる条件があります。私の経験では、10万円・20万円では不安を感じ、応じない売主もいます。一律の金額基準ではありませんが、売買価格に対してあまりに少ない場合は、購入意思や取引の確かさを慎重に見られることがあります。

条件欄には、何が書かれているか
買付証明書や購入申込書は、書式も記載内容もさまざまです。金額だけを先に見ず、「この条件なら買いたい」の条件まで読みましょう。例えば「測量必須」とあれば、誰が費用を負担し、何をいつまでに行う希望なのかを確認します。
| 確認すること | 見ておきたい点 |
|---|---|
| 購入希望価格 | 売出価格との差、ほかの条件との組合せ |
| 手付金 | 提示額・支払時期と、売主が受け入れられる条件か |
| 売主へ求める作業 | 測量・修繕・撤去などの範囲、費用負担、期限 |
| 契約・引渡しの予定 | 売主が対応できる日程か。作業に必要な期間があるか |
| 購入資金 | 現金か融資利用か。融資を使うなら申込・審査の状況 |
| 回答期限など | 何の期限か。未確認事項をいつまでに確かめるか |
書かれていなければ、問題がないとは扱わず、担当者を通じて確認します。融資の申込状況まで書かれていれば、話がどこまで進んでいるかを知る材料になります。
HONNE|契約するまでは、売れたと思わない
買付証明書に何が書いてあっても、進めた結果、話が壊れそうな点があれば慎重に進めます。それでも、確認を重ねたから必ずまとまるわけではありません。壊れるときは、何をしても壊れることがあります。
私の経験では、契約直前に「やっぱりやめます」となることも珍しくありません。だから私は、お互いが契約書にハンコを押すまでは、売れたと思わない方がよいと考えています。
これは実務上の心構えです。契約書への押印前なら、どの段階でも責任なく撤回できるという意味ではありません。
複数の申込みは、同じ項目で比べる
高い申込みでも、測量や撤去など売主の追加負担があれば、手元に残る金額は変わります。引渡しを急ぐ条件が、売主の予定と合わない場合もあります。
価格・手付金・売主負担・日程・資金の確認状況をそろえ、担当者に推奨する相手と理由を説明してもらいましょう。未確認の点は、相手が対応できないと決まったこととは分けます。先に申し込んだ人へ何を案内・約束しているかも確認してください。
買付の内容を、契約条件までそろえる
買付証明書に書かれた条件と、口頭で調整した内容、契約書の内容が食い違わないように確認します。買付の提出だけで契約成立を決めつけず、成立や撤回の扱いに疑問があれば、書面と交渉の経緯を整理して専門家へ確認してください。
担当者には、こう聞けます。
この申込みで、まだ確認できていない条件は何ですか。金額と成立の見通しを合わせると、どの案を勧めますか?
条件に納得して進める場合も、口頭の話と契約書が食い違わないように確認します。
出典・確認先
- 不動産適正取引推進機構「不動産売買の手引」 — 冊子28〜29頁、申込関連書面と契約条件の注意。
- 全日本不動産協会「買付証明書の法的性格」 — 買付提出と契約成立、交渉段階の責任に関する解説。掲載当時の情報である点に留意。
上記資料の該当説明の確認日:2026年10月20日


