値下げでは解決しない問題を、契約前に整理する

結論から言うと
境界未確定や越境、建物の不具合などがあっても、全部直してから売る必要があるとは限りません。大事なのは、どこまで現状で引き渡し、どこを修補するか、万が一修補できなかったらどうするかを、契約前に整理しておくことです。
HONNE|現場のホンネ
不動産に問題があることより、それを隠したまま売却の話を進める方が危険です。
契約直前に「実は……」と打ち明けられたこともありますが、かなり揉めます。
人の死にまつわることだけでなく、近隣トラブルも、説明しなかったことが責任問題になる場合があります。分かっていることは、売出し前に担当者へ伝えてください。
売却前に確認したいこと
| 問題となりやすい点 | 確認すること |
|---|---|
| 境界標・越境 | 土地の外周の境界標がそろっているか。隣地と境界の認識に違いやトラブルがないか |
| 再建築・道路 | 道路に接する幅が狭い、旗竿地、私道など、建て替えや通行について確認が必要な条件はないか |
| 建物・設備の不具合 | 雨漏りや故障など、知っている不具合はないか。修補するか、現状で引き渡すか |
| 人の死・近隣問題 | 買主への告知・説明が必要な事情はないか |
分からない項目は、無理に「問題なし」とせず、分からないまま担当者へ伝えて構いません。
各項目をタップ・クリックすると、詳しい説明が開きます。
境界標を見つけても、測量の要否は別に確認する
境界標がそろっているか、図面と現地が合っているか、隣地との認識に違いがないかを確認します。標があるだけで、測量が不要とは決まりません。
境界標の不足や食い違い、越境があれば、担当者へ伝えましょう。測量が必要なら、土地家屋調査士への依頼範囲・費用・日程まで確認します。
再建築など、確認前に査定額を出さない案件もある
道路に接する幅が狭い、旗竿地、私道といった条件は、見た目だけで再建築できるとは判断しません。道路や敷地の資料を基に、自治体や設計者へ確認します。
再建築の可否で価格が大きく変わる物件では、確認前に査定額を出さない場合もあります。その場合は、何を確認中で、いつ経過を連絡するかを担当者に示してもらいましょう。
人の死・近隣問題は、担当者へ早めに事情を伝える
売主が知っている人の死や、騒音・嫌がらせ・境界紛争などは、概要から担当者へ伝えてください。不動産会社が外からすべて把握できるわけではありません。
担当者へ事情を伝えることと、買主への告知が必要かを判断することは別です。「昔のことだから」と自己判断せず、何をどう説明するかを確認しましょう。
問題を解消する事よりも、解消不能の場合を曖昧にしない
境界や越境、不具合などを引渡しまでに解消する予定でも、予定どおりに進むとは限りません。何を、誰の費用で、いつまでに対応するかに加え、解消できなかった場合にどうするかまで、契約前に決めておきましょう。
担当者には、こう聞けばよいと思います。
引渡しまでに解消しなかった場合、契約上はどうなりますか?
期限を延ばすのか、現状で引き渡す条件を改めて合意するのか、契約を続けられない場合をどう扱うのか。「そのときに相談する」で済ませず、契約書で確認してください。
人や近隣への危険、被害が広がるおそれがあるものは、売却の予定とは別に早めの対応を相談します。
参考資料・確認先
- 国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」 — 資料確認日:2026年9月8日
- 法務省「筆界特定制度」 — 資料確認日:2026年9月8日
- 国土交通省「建築基準法上の道路情報の整備について」 — 内容確認日:2026年10月15日
個別の道路の扱いや建築条件は、物件所在地の自治体や設計者へ確認してください。


