古家付きと更地、売るならどっち?

古家付きと更地、売るならどっち? 媒介契約・販売活動

先に壊す前に、使える可能性と解体後の手取りを比べる

古家付きと更地、売るならどっち?

結論から言うと

築年数と実際の状態を見て、中古住宅として使うのが難しいと判断するなら、私の現場感では更地の方が売りやすいです。古家付きでは売れないという意味ではありません。建物を使えるのか、買主がどの程度の修繕を必要とするのかを見て、売り方を判断しましょう。

HONNE|現場のホンネ

中古住宅として使うのが難しいなら、私の現場感では、更地の方が土地を探す買主には売りやすいです。ただ、古家付きでは売れないという意味ではありません。

建物の状態を見て、使うための修繕がどの程度必要かを考える。土地として売るなら、解体費を払った後の手取りを比べる。売りやすさだけで先に壊すと決めず、買主が決まってから解体して渡す案も比べましょう。

まだ使える家と、次の買主が使いたい家は違う

今も住めるから、中古住宅として売れるとは限りません。安全性や大きな不具合、使い続けるための修繕、間取り・設備、地域の需要を見ます。買主は購入価格に修繕・改修費を足した総額で比較するからです。

建物利用が怪しければ、土地販売を主軸にすることはあります。それでも、先に解体するとは限りません。土地として広告を出しながら古家を残し、買主が決まってから壊す方法もあります。

築年数と建物の評価は、築30年の家に価値はある?売れる?で整理しています。

三つの売り方を、手取りと責任で比べる

売り方残せる選択肢・進めやすさ売主が見る負担
古家付き・現況で売る建物利用も土地利用も検討できる買主が見込む解体費・工事の不確実性が価格へ影響し得る
先に解体して更地で売る土地の確認や建築計画へ進みやすい売れる前に支出し、売れなくても費用は戻らない。税負担も確認する
契約後の解体更地渡し売出し中は建物を残し、買主決定後に売主が解体する工事範囲・期限・追加費用・引渡状態を契約前に決める

更地なら高く売れる、解体費を全額上乗せできる、という計算はできません。想定売却価格から解体費などを引いた手取りと、先に必要な資金、売れなかった場合の負担まで比較します。

買主が壊す場合も、売主に無関係ではありません。買主が見込む費用や不安が価格に織り込まれることがあります。違いは支払者の名前だけでなく、誰が工事を手配し、期限と想定外の費用を引き受けるかです。

見積総額より、掘るまで分からない範囲を聞く

解体業者は通常、見積り前に現地を確認します。家財、物置、塀、庭石、樹木などは、撤去対象と見積りに含む範囲を具体的に合わせます。

現場で気になるのは、見えている物より、壊して掘らないと分からない物です。杭、古い基礎、浄化槽などは、資料がなければ存在や撤去範囲を事前に確定できない場合があります。杭伏図や過去の工事資料があれば、見積り時に渡してください。

担当者と解体業者には、こう聞けます。

この見積りで確認できていない物は何ですか。見つかったら誰に連絡し、工事をどう判断し、追加費用を誰が負担する条件ですか?

地中物の負担は自動的に売主・買主のどちらかになるわけではありません。解体請負契約と売買契約を合わせて整理します。

「更地渡し」で、何を残すかまで決める

基本は、建物や撤去対象の付属物がない土地を引き渡す想定です。ただ、共有塀、隣家とつながる部分、境界・越境に関わる物、安全に取り切れない基礎や杭などは、売主だけの判断で撤去できないことがあります。買主と合意して樹木や外構を残す場合もあります。

残る物があるなら、対象・理由・状態を契約前に具体化します。「更地にします」の一言で、買主と撤去範囲が一致したとは考えないでください。

業者には、更地を勧めるなら、撤去する物・残す物・まだ分からない物まで先に示してほしいと思います。売主に工事だけ発注させ、追加費用や引渡しの話を後回しにしないでください。

壊す前に、税金・再建築・手続を確認する

住宅用地には、固定資産税・都市計画税の課税標準を軽減する特例があります。解体して住宅用地に該当しなくなると、土地の税負担が変わることがあります。「解体すれば税額が必ず6倍になる」とは限りません。解体前に、納税通知書と解体予定時期を基に、特例の適用や解体後の税額を物件所在地の自治体の固定資産税担当窓口へ確認しましょう。

再建築できるかも、解体前に確認します。接道や境界などに問題があれば、壊した後の土地利用に影響する可能性があります。判断が難しければ、自治体や設計者へ確認してください。

石綿の事前調査、必要な届出、施工者の許可・登録、廃棄物処理、取壊し後の滅失登記は、担当と工程を確認します。小さい建物だから事前調査が不要とは決めつけません。

解体の補助制度は自治体ごとに対象・受付期間・予算・申請時期が異なります。所在地の自治体へ、契約や着工前の申請が必要かを確認してください。利用できると確定する前に、補助を前提に解体を発注しないようにしましょう。

降雪地域や寒冷地では、冬に解体できる場合もありますが、除排雪費、雪で見えない基礎・外構・境界、重機の動線を確認します。私の現場では、特別な期限や危険性がなければ積雪期を避けることもありますが、適した時期は積雪量・現場条件・業者の工程で異なります。地域名や季節だけで施工可否を決めず、見積りと日程を確かめましょう。

更地が売りやすいことと、今すぐ壊すことは別です。誰が、いつ、どこまで壊し、追加費用をどう扱うかまで決めてから進めましょう。

出典・確認先

既存原稿の情報確認日:2026年9月1日。全国版改稿に伴う補完確認:2026年10月15日。税金段落・税出典の限定補完確認:2026年10月16日。

個別の税額・特例の適用・必要な届出と補助制度は、物件所在地の自治体へ確認してください。

次に読む記事

家の売却前にリフォームは必要?売却前に直す範囲を、費用と売り方から考えます。不動産を売る前に確認したいリスク不具合・権利・接道など、売却前に確認する条件を整理します。家を高く売る方法価格・見せ方・販売計画から売り方を整理します。

執筆・編集|不動産ホンネガイド編集部

不動産売却で迷いやすい論点を、制度・実務・売主の判断軸に分けて整理します。

編集方針 広告掲載方針 訂正・お問い合わせ 免責事項

タイトルとURLをコピーしました