差額より、比べた物件と価格の前提を聞く

結論から言うと
同じ物件でも、不動産会社や担当者によって得意分野や経験が違います。「賃貸・売買・管理、なんでもお任せください」と掲げていても、その物件の売却経験まで同じとは限りません。査定の参考事例、条件の評価、販売期間などの前提、そして経験の違いから、査定額に差が出ます。価格だけを見ず、根拠を確認しましょう。
まずは難しく考えず、こう聞いてみてください。以下の金額は質問の例です。
他社は3,000万円だったんですけど、なんで御社は3,300万円なんですか?
価格差を4つに分けて確かめる
| 確認すること | 担当者への質問 |
|---|---|
| 比べた物件 | どの成約事例を参考にして、今回の物件とはどこが違いますか? |
| 条件の評価 | 今回の物件の何を、比較事例よりプラス・マイナスに見ましたか? |
| 現在の競合 | 今売っている物件の価格、掲載期間、価格変更をどう見ましたか? |
| 販売前提 | この価格は、どのくらいの期間・どんな売出し方を前提にしていますか? |
近くで売れた物件でも、面積・形状・接道・築年などが違えば、そのまま比較できません。少し離れた事例でも、条件や地域差を説明できれば参考になる場合があります。戸建・土地・マンションでは査定の方法も同じとは限りません。
HONNE|現場のホンネ
私自身の査定では、比較事例から「今回の物件はここが弱いので、この分を下に見る」と考える場面があります。これは私の組み立て方で、査定がすべて引き算という意味ではありません。プラスに評価する条件も含め、どこをどう見たかが説明されることが大切です。
今の売出価格と、過去の成約価格を混ぜない
近隣が高く売り出しているなら、その競合との比較も必要です。ただし、掲載中の価格は売れた価格ではありません。掲載が長い理由も、価格だけとは限りません。
地域の交通や生活環境に変化があるなら、現在確認できる事実と「今後高くなるかもしれない」という見立てを分けてもらいます。高めに試す提案も、長く待てば必ず売れるという約束にはなりません。
「会社によって違います」で説明を終わらせず、何を違って評価したのかまで教えてほしいと思います。 査定差をゼロにそろえるより、売主が違いを理解できることが必要です。
違いが分からないときの次の一手
「何万円・何%までなら正常」という基準だけで判断せず、金額にかかわらず分からない理由を聞きます。営業上の事情が価格提案に影響していると現場で感じることはありますが、個別会社の動機を推測するより、説明と販売前提を確かめましょう。
理由を聞いた後も、その場で会社を決める必要はありません。納得できなければ保留し、資料や他社の説明を見直して構いません。


